2017年8月26日土曜日

ソードのストーリー ~10~ 後は上がるだけ!

10本の剣が突き刺さり、横たわる人物。
目的地の山ははるか遠く、はるばると広がる水面の向こうです。
戦いは終わり、静寂の中、夜の闇が明けようとしています。


9で部屋に引きこもっていたあなたは勇気を出して戦いに出ましたが、あなたの理想は現実の前に敗れてしまいました。
あなたの信念は周囲に理解されませんでした。理想が高すぎたのでしょうか。

ソードの10はプチ死神です。
小アルカナですから、大アルカナほど大きなパワーは持ちませんが、絵面は死神よりも悲惨かも。
死神の絵は死をイメージさせるけれど、ソードの10は死そのもの、もしくは瀕死の状態を描いています。
もちろん、どちらのカードも出たからといって実際に死ぬわけではありません。

意味は、破壊と再生。

今は最悪の状況かもしれません。
自分の無力を感じています。
自分は被害者もしくは犠牲者ではないかとさえ思います。

でも、落ちるだけ落ちたら、後は上がるだけ。
考えようによっては最強です。失うものなし、怖いものなしです。
ひとつの恋を失っても、新しい出会いが待っています。
リストラされたら、より自分に合った職を探せばいい。

そう思えるようになるには少し時間がかかるかもしれませんが、この試練を乗り越えたとき、きっと以前よりも成長した自分になれるでしょう。

逆位置では、空の暗闇ではなく、朝焼けにスポットが当たります。
刺さった剣も一つひとつ抜けていきます。
ゆっくりと立ち上がって歩き出しましょう。
あなたの眼前には今までとは違った美しい風景が広がっているはずです。

これで、ソードのストーリーはおしまいです。おつき合い下さりありがとうございました。
暗いお話が多くて、後半を駆け抜けてしまいました。

正義を貫くこと、理想を追いかけることは、決してたやすいことではありません。
普通の努力で叶うことであれば、とうの昔にいじめや差別、不公平などはなくなっているはずです。

考えずに周りに流されていればラクですね。
目を閉じて耳をふさいでいれば、知らずにすむこともたくさんあるでしょう。

それでも、情報を得て、思考する。
ソードの戦いの根底には、そんなテーマが流れているように思います。




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